アフターピル(緊急避妊薬)処方について【医師監修】

アフターピル(緊急避妊薬)とは?

アフターピル(緊急避妊薬)とは、避妊に失敗したり避妊をしなかった性行為の後に緊急的に使用する避妊薬です。性行為の後に決められた時間内に用いることで、高い避妊効果を発揮します。妊娠の不安を抱えたまま次の生理を待つことがなく、人工妊娠中絶のような負担もないため、アフターピルを使用することで不安を解消し早期の安心を得ることができます。

アフターピル(緊急避妊薬)が必要な時

妊娠を希望していないにもかかわらず、妊娠の可能性がある性行為をしてしまった場合に必要になります。避妊効果を得るためには、妊娠の可能性がある性行為の後に緊急的に使用する必要があります。以下のようなことがあり不安な場合は積極的にアフターピルの使用も考えましょう。

・避妊せずに性行為をした
・意図せずに膣内で射精した
・コンドームが破れてしまった
・正しい避妊をせずに性行為をした
・性行為の際に経口避妊薬を飲み忘れていた
・排卵日前後に性行為をした
・理由に関わらず妊娠の不安がある

膣外射精は外に出したつもりでも中に出してしまったということが多いのか、妊娠する確率は22%程度と意外と高いため、心配な場合はアフターピルの使用を推奨します。

アフターピル(緊急避妊薬)で避妊ができる仕組み

アフターピルで避妊ができる仕組みはその作用機序が十分にわかっていないものの、排卵を抑制することと、排卵後でも着床を阻害することにあると考えられております。アフターピルの服用後は5~7日程度は排卵を抑制する作用が継続し、その期間は子宮内で2~3日程度とされる精子の寿命よりも長く、受精が妨げられて妊娠しなくなります。既に排卵していても子宮内膜の成長を抑制することで着床を阻害し、妊娠を防ぐことができます。これら2つの側面で妊娠を防ぎますが、妊娠の予防には排卵の抑制の方がより確実性が高いと考えられ、アフターピルを早く飲んだ方が避妊できる確率も高くなると考えられます。

アフターピル(緊急避妊薬)の種類

アフターピルの種類は大きく分けて3種類あります。

ヤッペ法:月経困難症、月経周期異常の治療に使用する中用量ピルであるプラノバール(ノルゲストレル+エチニルエストラジオール)を使用する緊急避妊法です。妊娠を阻止できる確率は60%程度と考えられています。古くから使用されている緊急避妊法ですが、妊娠阻止率が低く、副作用も多いため、当院では取り扱っておりません。

レボノルゲストレル:性交後72時間以内に薬を1錠内服することで85%程度の妊娠阻止率がある緊急避妊薬です。ヤッペ法と比較して妊娠阻止率が高いだけでなく、1錠の内服で問題ないこと、副作用が少ないことがメリットになります。性交後72時間以内に使用する必要がありますが、妊娠の可能性がある機会から時間が経つほど妊娠阻止率は下がると考えられています。また、肥満体型の女性(BMIが30以上)では効果が十分でないとされております。ノボノルゲストレルはアフターピルとして有効な薬剤ですが、より効果の高い薬剤があるため当院では取り扱っておりません。

エラ/エラワン(ウリプリスタル酢酸エステル):性交後120時間以内に薬を1錠内服することで97%程度の妊娠阻止率がある緊急避妊薬です。妊娠阻止率の高さや120時間以内という時間の長さだけでなく、120時間以内であれば妊娠阻止の効果が落ちないとされ、BMIが30以上の肥満体型の女性でも高い効果を発揮できるのがこの薬剤の特徴です。5日~7日間程度は緊急品薬の効果が持続し、その間は排卵が抑制され妊娠を回避することができます。また、副作用もレボノルゲストレルよりさらに少ないとされています。副作用が他の緊急避妊薬よりも少なく、仕事等で忙しい方も使いやすいと考えられます。国内では緊急避妊薬として認可されておりませんが、海外では一般的なアフターピルとして使用され、安全性や効果が確認されております。アフターピルの中でも効果が高くメリットも多いため、当院ではこの治療法を採用しております。

※妊娠阻止率:生理周期から予測される妊娠の可能性がある時期に薬剤を使用して妊娠しない率

妊娠の可能性がある行為から服用するまでの時間 ウリプリスタル酢酸エステル内服時の妊娠率
48~72時間 2.3%
72~96時間 2.1%
96~120時間 1.3%

※参照元
 
72時間までではウリプリスタル酢酸エステルはレボノルゲストレル法と比較して妊娠阻止の効果はより高いか差はないと言われております。
※参照元

アフターピル(緊急避妊薬)の内服方法

ヤッペ法:性交後72時間以内にプラノバールを2錠を内服し、12時間後にも2錠内服する方法です(計2回で4錠内服します)。

レボノルゲストレル法:レボノルゲストレル(150mg)というプロゲステロン受容体作動薬を性交後72 時間以内に1回1錠内服します。

エラ/エラワン(ウリプリスタル酢酸エステル):ウリプリスタル酢酸エステル(30mg)という選択的プロゲステロン受容体修飾薬を性交後120時間以内に1回1錠内服します。

アフターピル(緊急避妊薬)の副作用

ヤッペ法の副作用は吐き気ですが、レボノルゲストレル法では服用後の吐き気はほとんどみられず服用者の3.6%に悪心が認められた程度です。

ヤッペ法の副作用
不快な気分、腹痛、嘔気や嘔吐、頭痛、めまい、腹痛、下痢、便秘、生理不順があります。

レボノルゲストレル法の副作用
頭痛、倦怠感、腹痛、下痢、便秘、生理不順があります。ヤッぺ法と比較すると副作用は少ないです。

エラ/エラワン(ウリプリスタル酢酸エステル)の副作用
頭痛、倦怠感、腹痛、下痢、便秘、生理不順がありますが、エラ(Ella)は副作用は少ないです。

どのアフターピルも頭痛、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢のリスクがありますが、服用して2時間以内に嘔吐したり、5時間以内に下痢をすると、薬の有効成分が体外に排出され効果が得られにくくなります。この場合、再度同量の内服をする必要があります。そのため、念のため最初から2錠処方を希望される方もいます。

服用できない方として、
・過敏症(アレルギー)の方
・既に妊娠している方
・重篤な肝障害のある方
が挙げられます。
併用禁忌薬は特にありません。そして、レボノルゲストレル法やエラ(Ella)の使用に対する絶対的禁忌は特にありません。

アフターピル(緊急避妊薬)服用後、避妊に成功したか確認する方法

早い方で 3・4日後に、遅くても3週間以内に生理が来ます。3週間過ぎても生理がこなければ避妊に失敗したかもしれないので妊娠検査薬などで確認して下さい。

アフターピルを服用し避妊に成功した場合は消退出血が生じます。消退出血は子宮内膜が剥がれ落ちて出血する現象で、消退出血が起こることで着床しなくなるため妊娠していない時に起きる出血と言えます。しかし、消退出血は不正出血と見分けが難しいです。消退出血が起こった後は、予定の生理の日から1週間以内に生理が来ることが多く、この時点でアフターピルでの避妊に成功したと考えられます。生理が来ない場合は避妊に失敗した可能性もあります。避妊に成功したかどうかの自己判断は難しいので、妊娠検査薬等で確認することを推奨します。

アフターピル(緊急避妊薬)処方の流れ

受付

予約は不要なので診療時間内に直接ご来院ください。
アフターピルの配送がご希望の方はオンライン診療も対応しております。
アフターピルをご希望の方は終了時間10分前までの来院をお願いしております。
予約された方を優先しておりますが、アフターピルの場合は予約なしでも来院して処方から帰宅まであまり時間はかわらないことが多いです。
受付にアフターピルがご希望である旨を伝えてください。
アフターピルは自由診療になるので、健康保険証や身分証明書は不要です。

【診療時間】

午前 午後
月・火・木・金 9:30〜13:30 14:30〜19:30
9:30~13:30 /
9:00~13:00 /
日・祝 / /
日祝休み
水土は不定休(HPで確認をお願いします)

問診票記入

待合室にて問診表を記入していただきます。
現在使用中のお薬やかかっている病気(既往歴)を記入してください。
お急ぎの方は予約フォームにて事前に問診票を記入し、受付時に問診票を記入済みの旨をお伝えください。
 
ご予約の方はこちら

問診

2~5分程度の問診になります。内容は「アフターピルの説明」「アフターピルの注意点」「現在内服中の薬やアレルギーの確認」「副作用」です。
処方が可能か問診にて判断するので陰部を見せたり衣服を脱ぐ必要はありません。
ご質問等あればお気軽にご相談ください。
※アフターピルには併用禁忌薬は特にありません。またアフターピルの使用に対する絶対的禁忌も特にありません。

アフターピルの院内処方

問診の後はアフターピルを院内でお渡しします。水をお渡しすることも可能で、院内でアフターピルを内服することも可能となります。妊娠阻止の確率を上げるためにも、早めにアフターピルを内服することを推奨します。

会計

診察料は治療薬に含まれますのでお会計はアフターピルの費用のみとなります。自由診療のため、保険証は不要です。現金、各種クレジットカードや電子マネーでのお支払が可能です。

アフターピル(緊急避妊薬)の料金

薬剤名 価格(薬の処方の方は診察料無料)
エラ/エラワン(ウリプリスタル酢酸エステル) 15,000円/錠(配送の場合も費用込み)

※アフターピルは緊急の方のために、オンライン診療を利用した即日発送も行っています。

オンライン診療ご希望の方はこちら

もし、妊娠の可能性に心当たりがあるかもしれないと、少しでも感じた方は、当クリニックでもアフターピルを処方できますので、お気軽にご相談ください。

執筆者:成田 学史
ノワール大宮クリニック院長(医師)
2014年(平成26年)北海道大学医学部医学科卒業
日本性感染症学会 会員
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