男性更年期障害とは？テストステロンを増やす方法を解説！

加齢とともに、性欲の減った、勃起しにくくなった、筋肉が減った、疲れやすくなった、おちこみやすくなったりイライラするようになった、集中力の低下した、体重が増えやすくなった、眠れなくなったというような訴えは増えていきます。このような症状が出てきた場合は、男性更年期障害の可能性があります。ここでは男性更年期障害とは何か、その原因や対処法を解説していきます。

男性更年期障害(LOH症候群)とは？

男性更年期障害、またはLOH症候群（Late-Onset Hypogonadism）とは、加齢に伴うテストステロンの減少により引き起こされる一連の症状を指します。テストステロンは、男性ホルモンの一種で、性機能や骨密度、筋肉量の維持に重要な役割を果たします。

男性更年期障害の主な症状には、性欲の減退、勃起不全、筋肉量の減少、疲れやすさ、気分の低下やイライラ、集中力の低下、体重増加、睡眠障害などがあります。これらの症状は、生活の質（QOL）に大きな影響を与える可能性があります。

この症状群は、加齢によりテストステロンの生成が減少することで発生し、特に40歳以降の男性に見られることが一般的ですが、若い世代でも症状が現れることがあります。

治療としては、テストステロン補充療法が一般的に行われます。この療法は、テストステロンの不足を補うことで、症状の改善を目指します。ただし、治療は医師の診断と指導のもと、患者の症状や健康状態を考慮して行われる必要があります。

また、生活習慣の改善も重要です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスの管理などが、テストステロンのバランスを整え、更年期障害の症状を軽減する助けとなります。

テストステロンの働きについて

テストステロンは、主に男性の体内で生成されるステロイドホルモンで、多くの生理機能に影響を与えます。このホルモンは、男性の性的特徴や生殖機能の発達と維持、筋肉の発達、骨の健康、心理や気分の安定に重要な役割を担っています。女性の体内でも卵巣と副腎皮質でテストステロンは生成されており、女性の健康にも影響を与えます。

1. 性機能の維持・発達
テストステロンは男性の性機能の正常な発達と維持に必須です。性欲の調整、性器の発育、精子の生成など、生殖機能全般にわたって影響を与えます。第二次性徴期においても、声変わりや体毛の増加、筋肉や骨の発達を促進します。

2. 筋肉・骨の発達
テストステロンは、筋肉組織の発達と骨密度の維持に重要な役割を果たします。筋肉の増強や骨の丈夫さを保ち、運動能力や骨折のリスク減少に寄与します。

3. 心理・気分の調整
テストステロンは、心の健康や気分にも大きく影響します。自尊心や自信の維持、精神的安定やストレス耐性の向上に重要で、そのバランスが崩れると、うつ症状や不安、集中力の低下が見られることがあります。

4. 脂肪代謝の調節
テストステロンは、体の脂肪分布や代謝速度にも影響を与えます。適切なテストステロンのレベルは、健康な体脂肪率の維持と代謝活動の正常化をサポートし、肥満やメタボリックシンドロームのリスクを抑えます。

5. 赤血球生成の促進
テストステロンは、骨髄での赤血球生成を刺激し、全身の酸素運搬能力の向上に貢献します。これにより、組織の酸素供給が最適化され、エネルギー代謝が効率化します。

テストステロンは、生命維持の基盤とも言える多くの生理機能をサポートするため、そのバランスが極めて重要です。テストステロンが不足すると、心身の様々な不調や機能低下を招き、生活の質（QOL）に影響を与える可能性があります。健康的なライフスタイル、適切な食生活、十分な休息、ストレスの管理などを通して、テストステロンの適切なバランスを保つことが、全体的な健康状態の維持につながります。

テストステロンが多い人の特徴について

テストステロンが多い人は、筋肉質で体毛が濃く、エネルギッシュで活動的な特徴があります。また、自己主張が強く、リーダーシップを取る傾向があります。このような人々は、競争心が旺盛で、挑戦を好み、自信に満ち溢れています。高いテストステロンレベルは、意欲や集中力の向上、迅速な判断力にも関連しており、社会的な成功を追求するドライブが強いことが一般的です。

テストステロンが少ない人の特徴について

テストステロンが少ない人は、筋肉の発達が乏しく、体毛も薄い傾向があります。エネルギーの低下や意欲の不足、自己主張が弱くなることがよく見られます。また、情緒が不安定で、ストレスに弱いことが一般的です。これらの人々は、協調性を重視し、競争よりも協力を選ぶ価値観を持ちがちです。テストステロンの低下は、生活の質や心の健康に影響を与えるため、バランスの取れた生活と適切なケアが重要です。

テストステロンが減少する原因

テストステロンの減少は、主に加齢によって引き起こされますが、他にも様々な要因が影響します。生活習慣が大きく関わり、運動不足、不規則な生活、バランスの悪い食事、過度なストレス、睡眠不足などがテストステロンの減少を招く可能性があります。また、慢性的な病態や内分泌系の異常、テストステロン生成に関与する器官の疾患も、テストステロンの低下に繋がります。テストステロンは男性の健康や活力に重要なホルモンであるため、そのバランスを保つ生活習慣や医療的な対策が重要となります。

テストステロンが減少したときの症状

テストステロンが減少したときには、様々な体調不良が引き起こされます。身体的には、筋肉の減少や脂肪の増加、骨密度の下降、性欲の喪失や勃起不全といった問題が生じ、全体のエネルギー低下を感じることがあります。これらの変化は、日常生活や運動能力、健康全般に悪影響を与える可能性があります。

精神的には、気分の落ち込みや不安、集中力の欠如、ストレス耐性の低下などが現れることが一般的です。これらの症状は、仕事や学習、人間関係など生活のあらゆる面での困難を招くことがあります。また、自尊心の低下や自信喪失、社会的な孤立感や抑うつ気分も生じる可能性があります。

テストステロンの減少が引き起こすこれらの症状は、時に重大な問題を引き起こすため、定期的な健康診断やライフスタイルの見直し、必要に応じての医療相談や治療が大切です。適切な対策と早期の介入により、健康で充実した生活を維持することができます。

テストステロンの増加させる方法

テストステロンは、男性の性機能や筋肉発達、心理状態に重要な影響を与えるホルモンです。このホルモンのバランスを保つための方法として、健康的な生活習慣の確立、ストレスの管理、アルコール・タバコの摂取を控えることが挙げられます。これらのアプローチによって、テストステロンの適切なバランスが保たれ、身体や心の健康が維持されます。

1. ストレスの管理、健康的な生活習慣の確立

ストレスは、テストステロンの生成に影響を与える大きな要因となります。体がストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。このホルモンが増加すると、テストステロンの分泌が抑制されることが知られています。

まず、日常のストレスを軽減するための最も有効な方法として、ストレス源の除去があります。ストレスが発生している原因が何か、何にストレスを感じているのかを判明させ、それを自身の生活から取り除いてしまいます。取り除くことが難しい場合もありますが、可能な場合はストレスを確実かつ簡単に軽減できます。

また、適切な運動もストレス軽減のキーとなります。運動は体内でエンドルフィンを生成し、これがストレスを和らげる効果を持っています。そして、睡眠やバランスの良い食事も、ストレス管理に欠かせません。睡眠は体のリカバリータイムであり、十分な休息が必要です。バランスの良い食事は、体と心の健康をサポートし、ストレスの軽減に寄与します。さらに、睡眠中に体はリカバリーし、修復作業が行われます。これにより、テストステロン含有の細胞が再生され、新しいテストステロンが生成される可能性があります。睡眠不足ではテストステロンが十分に生成されない可能性もあります。質の良い睡眠は、ホルモンバランスを正常化し、テストステロンの生成を助けます。

健康的な生活習慣の確立を通して、テストステロン分泌のバランスが整い、健康的な体と心を手に入れることができます。自身の生活習慣を見直し、小さな改善を積み重ねることで、テストステロン分泌の適切なバランスを実現し、生活の質を向上させることが可能です。

2. アルコール・タバコの摂取を控える

アルコールやタバコは、テストステロンの生成と分泌に悪影響を与えることが知られています。これらを減らしたり避けることで、テストステロンのバランスを整え、健康を保つことができます。

アルコールの過度な摂取は、テストステロン生成の抑制や、肝臓への負担となります。肝臓はホルモンバランスの調整に重要な役割を果たすため、その機能が低下すると、テストステロンのレベルも低下します。適度なアルコールの摂取は避けて、テストステロン分泌のバランスを崩さないようにしましょう。

一方で、タバコに含まれるニコチンやタールも、テストステロンに悪影響を及ぼします。タバコは血流を悪化させ、テストステロンの生成や輸送に必要な栄養素や酸素の供給を阻害します。禁煙は、テストステロンレベルの改善、さらには全体的な健康の向上につながります。

さらに、アルコールやタバコは、睡眠の質にも影響します。良質な睡眠はテストステロンの生成に重要であり、これらの摂取による睡眠の質の低下はテストステロン分泌の低下を引き起こします。アルコールやタバコを控え、質の良い睡眠を確保することは、テストステロンのバランスを保つ上で重要です。

また、健康的な食生活と運動も重要です。バランスの良い食事と適度な運動は、アルコールやタバコの摂取を控える助けとなり、テストステロンの生成をサポートします。

このように、アルコールとタバコの摂取を控える生活を送ることで、テストステロンの生成と分泌が正常化し、心身の健康を維持することができます。健康的な生活習慣の一環として、これらの摂取を控えることを意識し、適切に管理しましょう。

※アルコールもタバコも適量は存在しないことが知られております。そのため控えた方が良いと考えられます。

3. テストステロン補充療法

加齢とともにテストステロンは減少していきますが、テストステロンが不足することで出てくる男性更年期障害をテストステロンを補充して改善する治療法です。テストステロン補充療法は主に注射薬、外用薬、内服薬での治療がありますが、ここでは日本国内で利用されることが多い注射薬と外用薬に関して説明します。

注射薬：エナルモンデポーという製剤を使った注射治療が良く利用されます。エナルモンデポーはテストステロンエナント酸エステルという成分を含む注射薬で、筋肉内に注射します。定期的な投与（基本的に毎週、2週に1回以上）が必要で、男性更年期障害の改善を期待できます。注射後1〜4週間で血液中のテストステロンの濃度が底値になるので、その前に追加の注射治療を実施して継続していくことが重要です。そうすることで、テストステロン不足を補ってそのバランスを保つことができます。症状の改善や副作用をみながら量を調節していきます。

外用薬：テストステロンを含むクリームを塗る治療になります。テストステロンクリームはを皮膚から吸収させる塗り薬で、朝と夜の1日2回吸収率の高い陰嚢等に塗ります。症状の改善がみられたら朝か夜のどちらかに1日1回塗布します。テストステロンクリームの吸収率の高い部位は陰嚢・頬・額・脇になりますが、陰嚢と頬では吸収率に3倍もの差があるとされます。陰嚢部への長期的な塗布は精巣委縮等の副作用の面から好ましくないため、塗布する部位も変化させたり、症状が改善したら塗布する回数や量を減らしたり、副作用の出現を確認してそれを対策しながら治療していきます。

どちらの治療も副作用が出ることがありますが、治療中は血液検査を含めて副作用を確認していきます。副作用が心配な場合や副作用が出た場合はその対策も可能です。

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もし、男性更年期障害の治療するためにテストステロン補充療法を受けたい、テストステロン補充療法を受けるにあたって不安があると、少しでも感じた方は、当クリニックでもテストステロン補充療法は可能ですので、お気軽にご相談ください。テストステロン補充療法は副作用こそありますが治療中も副作用を確認することで安全に実施できます。テストステロン補充療法により、男性更年期障害を治療して体力の低下や気分の落ち込みなどの症状を改善することができます。

まとめ

男性更年期障害、またはLOH症候群は、加齢によるテストステロンの減少が原因で、性機能の低下や気分の不安定など多くの症状を引き起こします。テストステロンは男性の性機能や筋肉発達、心理状態に影響を与え、そのバランスの維持が重要です。生活習慣の改善、ストレスの管理、アルコール・タバコの摂取制限はテストステロン分泌のバランスを整える方法として有効であり、これらを実行することで、男性更年期障害の症状の改善や健康の維持が期待できます。少しでも不安なことがあれば当院へ来院の上、ご相談ください。

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