発熱・高熱をきたす性病の種類は?症状や特徴を解説

性感染症(以下、「性病」という)で発熱ましてや高熱が出ることはあるの…?と感じている人もいると思います。

性病に感染すると排尿痛や性器の痛み痒み、女性はおりものの変化を想像すると思いますが、風邪やインフルエンザに似た症状が見られることもあります。

症状から自己判断することはできませんが、性病に感染すると発熱する可能性があるということを知ることで早期発見に繋がります。こちらでは、発熱・高熱をきたす性病の種類と症状や特徴を解説します。

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発熱・高熱をきたす原因になる性病の病原体の種類

性病に感染すると風邪やインフルエンザと似た症状が出ることもあります。性行為やそれに準ずる行為などの感染する機会に心当たりがあって、発熱・吐き気・頭痛・腹痛・倦怠感などの症状がある方は早めに検査を受けてください。

クラミジア

性器クラミジアが有名ですが、咽頭(のど)への感染によって発熱や喉の痛み、腫れなどの症状が見られることがあります。また、頻度は多くないですが、精巣上体炎が原因で発熱したときには緊急で治療が必要になります。

クラミジア感染症について解説

淋菌

淋菌が原因で引き起こる淋病も性器ではなく、咽頭への感染によって発熱や喉の痛み、腫れなどの症状が見られることがあります。また、頻度は多くないですが、精巣上体炎が原因で発熱したときには緊急で治療が必要になります。

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マイコプラズマ・ウレアプラズマ

クラミジアや淋病と症状が類似しており、咽頭(のど)への感染によって発熱や喉の痛み、腫れなどの症状が見られることがあります。また、頻度は多くないですが、精巣上体炎が原因で発熱したときには緊急で治療が必要になります。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症とはどんな病気?症状や感染原因、治療方法まで解説

トリコモナス

トリコモナスは咽頭に感染することはありませんが、クラミジアや淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ同様に精巣上体炎が原因で発熱することがあります。発熱することは珍しいですが、発熱した場合には緊急で治療が必要になります。

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HIV

発熱や喉の痛み、倦怠感、筋肉痛などインフルエンザに似た症状が見られることがあります。その後は無症状の状態が続き、エイズの発症に繋がる可能性があります。

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性器ヘルペス

赤茶色の水疱が複数出現し、びらんや潰瘍で強い疼痛を伴い、排尿痛を伴うこともあります。症状が治まってくると黒いかさぶたを形成し、ビリビリと神経痛のような症状が続きます。

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A型肝炎

発熱や倦怠感、吐気、嘔吐、黄疸(身体や白目が黄色くなる)などの症状が見られます。

赤痢アメーバ症(アメーバ性肝膿瘍)

下痢や粘り気のある血便、しぶり腹(テネスムス)などの症状が見られます。進行し肝膿瘍になると、発熱や上腹部痛、肝肥大などの症状を引き起こします。

B型肝炎

A型肝炎と症状は似ており、倦怠感や食欲不振、赤褐色の尿、黄疸(身体や白目が黄色くなる)といった症状が見られます。

C型肝炎

A型・B型肝炎と症状は似ており、倦怠感や食欲不振、吐き気などの症状が出ることがあります。C型肝炎は急性肝炎が少ないことから、症状を自覚している人が少ないです。

性病で見られる主な症状は?

性病に感染すると、性器や喉、皮膚などに痛みや痒み、腫れなどの症状が見られます。また、性病は自然治癒することがなく、自覚症状に乏しく無症状の場合もあるため、症状から性病を判定することは難しいため検査が必要になります。

以下に具体的な症状をご紹介します。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

  • ・排尿時の痛み
  • ・性器の腫れ
  • ・性器周辺に痛みと痒み
  • ・性器からの悪臭
  • ・性器から膿
  • ・陰部にできものやしこり
  • ・おりものの色や量、臭いの変化
  • ・全身に発疹やあざのような斑点
  • ・急な発熱が続く
  • ・喉がイガイガと痛む

 

性病(性感染症)と主な症状の一覧

性病を放置するリスクは?

多くの性病は自然治癒しないため、治療を行わずに放置すると自分自身だけでなくパートナーなど周囲の人へ影響を及ぼします。放置する3つのリスクについて紹介します。

  1. 1.症状の進行
  2. 2.パートナーや周囲の人への感染拡大
  3. 3.妊婦と胎児に与える影響

 

感染した病原体を放置し、感染期間が長いと症状が悪化する可能性が高まります。性病は症状がいつ悪化するのか個人差があり、不明確なため感染を放置することは危険です。

初期症状として見られることもありますが、放置することで男性は精巣上体炎、女性は卵管や卵巣、骨盤などの炎症を引き起こす可能性があります。症状の悪化と進行に関しては個人差が大きいからこそ、早めの検査を心がけることが大切です。

また、性病に感染した多くの人が症状を自覚しておらず、その状態で性行為やそれに準ずる行為を行うことで感染します。性病に感染している女性や性病を治癒した女性でも後遺症から子宮外妊娠のリスクが高くなります。出産の際に赤ちゃんが産道を通過するときに感染すると、結膜炎や肺炎を患って生まれてくる危険性があります。

女性だけではなく、お互いのためにパートナーの男性も注意をしながら、同時期に一緒に検査を受け、早期発見から適切な治療を行うことが重要です。

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性病の潜伏期間


感染から症状が出るまでの期間を潜伏期間と呼びます。潜伏期間は個人差が大きく人によっては症状を自覚しないことや症状が出ないこともあります。上記で紹介した発熱をきたす原因になる性病の潜伏期間について紹介します。

  • ・クラミジア:1~5週間
  • ・淋病:2~7日間
  • ・マイコプラズマ・ウレアプラズマ:1~5週間
  • ・トリコモナス:5~14日間
  • ・HIV:2~4週間
  • ・性器ヘルペス:2~10日間
  • ・A型肝炎:1~2ヶ月
  • ・赤痢アメーバ症:2~3週間
  • ・B型肝炎:2週間~6ヶ月
  • ・C型肝炎:2週間~6ヶ月

 

潜伏期間や症状から感染を疑うことも重要ですが、潜伏期間や症状の有無に関わらず、検査の回数を増やすことで確実な検査結果に繋げることもできます。

また、感染する可能性がある行為を自覚できたり、気になる場合は早めに検査を受け、感染していた場合は医師の指示に従って治療を開始することがより重要になります。

性病の再発リスク

性病は適切に治療が行われ、治癒が確認されていると基本的には再発しないものが多いです。改めて性病に感染している判定を受けた人は再感染したということになります。

クラミジアや淋菌などは感染者数が多い性病なので「感染している人」と性行為やそれに準ずる行為を行ったことで再感染する人は多いです。コンドームの着用である程度予防はできますが、何度も性病に感染する人は感染機会が多い人でもあるため、潜伏期間で記載した通り症状の有無に関わらず検査を受けたり、検査の回数を増やして確実な検査結果を出す必要があります。

性病は基本的には自然治癒しないため、検査をきちんと行い早期発見から治療を行うことが大切です。

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まとめ

今回は「発熱・高熱をきたす性病の種類」について解説しました。

  • 性病に感染するとインフルエンザと似た症状が出ることもある
  • 性器に感染し精巣上体炎が原因で発熱する可能性がある
  • 多くの性病は自然治癒しないため放置せず医療機関で適切な治療を受ける
  • 感染後に放置すると自身だけでなく周囲への感染拡大のリスクが高まる
  • 症状の有無に関わらず心当たりがある場合は検査を受けることが重要


もし、性病へ感染する可能性のある行為に心当たりがあるかもしれないと、少しでも感じた方は、当クリニックでも検査を受けることができますので、お気軽にご相談ください。

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ノワール大宮クリニック 院長:成田学史

執筆者:成田 学史
ノワール大宮クリニック院長(医師)
2014年(平成26年)北海道大学医学部医学科卒業
日本性感染症学会 会員
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