トリコモナス症とは?感染経路や症状、検査・治療方法

公開日:2023年08月30日

更新日:2024年10月21日

性病知識コラム トリコモナス症
トリコモナス症とは?感染経路や症状、検査・治療方法

・トリコモナス症は男性よりも女性に症状が強く現れ、再感染する性病
・女性が感染し治療したものの、パートナーに自覚症状がなく再感染を繰り返すことがある
・症状の有無に関わらず検査・治療が重要である

☑ 即日診断・即日治療(治療のみも可)

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トリコモナス症とはどんな病気?

「トリコモナス原虫」という微生物が性器に入り、炎症を引き起こす性感染症(以下「性病」という)です。他の性病と異なり男性では症状が弱く、女性では症状が強くなる傾向があり、「膣トリコモナス症」(以下「トリコモナス」という)と呼ばれることもあります。

トリコモナスに感染すると多くの場合は感染から5〜28日程度で症状が出ますが、感染者の多くが無症状であることが多いです。特にトリコモナスは女性に比べて男性は症状が出にくく、放置することでパートナーへのピンポン感染が見られることもあります。

主な症状として女性は膣炎や膀胱炎のような症状、男性は尿道炎を起こして、痛みやかゆみの症状が現れたりしますが、自覚症状がないことも多いです。また、女性でも症状を自覚しない場合があり、感染に気づかず放置することで、不妊や流産・早産のリスクが生じる可能性があります。

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トリコモナスはどうしてうつるの?感染経路について

トリコモナスの潜伏期間は5〜28日程度と考えられていますが、実際には個人差があり感染経路や時期を特定するのが難しい性病です。

感染経路も性行為だけでなく、日常生活の中でも感染が確認されているため家庭内で注意が必要になります。トリコモナスは主に性行為やそれに準ずる行為によって感染することが多いですが、性行為による接触が無くても感染する可能性があります。

  • ・下着やタオル類からの感染
  • ・トイレや浴槽など水気のある場所を通じて感染

そのため、性行為の経験がない男女や幼児も家庭内で感染が見られる場合があります。

これらの感染は不衛生になっていることが原因なので、清潔なタオルや下着を使用することで感染リスクを抑えることができます。

トリコモナスの症状について

男女ともに感染していても無症状で気づかないことが多く、放置してしまっている場合があり、男性は尿道炎、女性は膣炎や膀胱炎のような症状を引き起こす可能性があります。

症状が見られた場合はもちろんですが、少しでも感染する可能性に心当たりがあれば、症状だけで自己判断することはせず、医療機関で早期の相談・検査が重要です。

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男性のトリコモナス症の症状

トリコモナスは性行為とそれに準ずる行為によって感染しますが、性行為による接触がなくても感染する場合があります。女性と比べて一般的に自覚症状がないことが多いですが、男性の場合は感染者に寄生している原虫が性行為などにより前立腺や精のう、尿道に感染します。尿道炎や前立腺炎を引き起こす可能性があります。

初期症状として見られる場合もありますが、放置すると精巣上体炎になると陰嚢の腫れや痛み、発熱などの症状が出ます。精巣上体は精子の通り道にある器官なので、トリコモナスによって炎症が起きると精子の通り道がつまり、不妊症の原因になるリスクがあります。

【男性に見られる主な症状】

  • ・排尿時の痛み
  • ・尿道から膿などの分泌物が出る
  • ・尿道に痒みや痛みなどの違和感
  • ・尿道が熱を持ったような感覚

女性のトリコモナス症の症状

女性も男性と同様に性行為とそれに準ずる行為によって感染しますが、性行為による接触がなくても感染する場合があります。女性の場合は感染者に寄生している原虫が腟分泌液を介して膣や子宮の入り口(子宮頸管)、尿道に感染します。

トリコモナスへの感染により、膀胱炎のような症状、膣炎、子宮頚管炎、卵管炎や腹膜炎を引き起こす可能性があります。

【女性に見られる主な症状】

  • ・外陰部や膣に強い痒み
  • ・外陰部や膣が熱をもったような感覚
  • ・外陰部や膣のただれ
  • ・外陰部や膣が炎症により赤くなる
  • ・泡状の強い悪臭を伴うおりものが出る
  • ・性行為時の痛み
  • ・排尿時の痛み

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また、妊娠・出産への影響として、妊娠中に感染している場合、流産や早産のリスクが高くなる可能性があります。

妊娠中は膣の自浄作用が低下するため、感染しやすくなりますので注意が必要です。

感染したまま放置してしまうと、卵管炎や骨盤内炎症性疾患に進行する可能性が高まり、不妊症や早産、流産のリスクもあります。

トリコモナス症と似ている症状の性病

さらに、似たような症状を引き起こす性病は他にもあり、症状だけではトリコモナスであると診断するのが難しいことが多いです。

トリコモナスと症状が似た性病を4種類ご紹介します。

男性:クラミジア淋病マイコプラズマ・ウレアプラズマカンジダ
女性:クラミジア淋病マイコプラズマ・ウレアプラズマカンジダ

男性の場合、尿道炎の症状を伴うことが多く、症状は非常によく似ています。
しかし、検査方法も治療方法も異なり症状だけで感染の有無を判断することが難しいので、医療機関で早期の相談・検査をおすすめします。

女性の場合、外陰部の痒みや違和感、おりものの増加などの症状が多く、似ています。
一般に、トリコモナスの場合は泡状の強い悪臭を伴うおりものが他の性病と比べて特徴的と言われますが、おりものの性状や症状からの判別は困難です。実際には症状からの特定は難しく、検査によって感染の有無もわかります。男性と同様に医療機関で適切な検査を受けましょう。

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トリコモナス症を解決する方法とは?

①病院に行く
すぐに治療を受けたい、検査結果から治療を含めて問題を解決するまで見通しを立てたい時におすすめです。

  • 【メリット】
  • ・検査できる性病の種類が多い
  • ・検査結果が陽性でもすぐに治療を開始できる

 

  • 【デメリット】
  • ・費用が掛かる
  • ・匿名で検査できない病院もある

 

②検査キットを利用する
検査を受けるだけ、医療機関を受診する時間が取れない時におすすめです。

  • 【メリット】
  • ・検査費用が安い
  • ・検査結果が出るまでが早い

 

  • 【メリット】
  • ・検査結果が出るまで医療機関を受診するよりも時間がかかることがある
  • ・治療がすぐできないため治癒するまで時間がかかる
  • ・疑われる疾患に対して正しい検査を選択しないと原因となる病原体を特定できない

 

医療機関と検査キットのメリット・デメリットをご紹介したところで、「ノワール大宮クリニック」での検査と治療までの流れについてもご紹介します。

トリコモナス症を病院で受診する際の流れと詳細


すぐに適切な検査や治療を受けたい、検査結果から治療を含めて問題を解決するまで見通しを立てたいなど、仕事や家庭などの都合から何日も通院できないという方に、個人の事情に応じてどのように解決するか最短で提案できることです。「性病の悩みを1日も早く解決したい」という患者様の希望を最優先したサービスを提供します。



1:検査・診断

感染の機会から24時間以上前後で検出が可能と考えられます。
※感染の恐れがある場合、お早めの受診を推奨します。
男性は尿、女性は膣擦過物によって検査します。トリコモナス症の精密な診断が可能な時期は「感染機会からすぐ」と考えられています。

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淋病やクラミジア感染症、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症と症状が似ていることがあります。さらにこれらの病気も同時に感染している重複感染の可能性もあります。

上記の理由から、同時に複数の検査をすることや、トリコモナス症が検査陰性でも別の検査を追加で受けることも考慮すると良いと考えられます。

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尿検査の場合

男性用の検査になります。
検査結果が出るまでは、2〜7日程度で、費用は9,000円です。

男性は検査の性質上、遺伝子検査であっても精度が安定しないため、感染しているにも関わらず、「トリコモナス原虫」が検出されない可能性があります。

パートナーがトリコモナス症に感染していた場合には、パートナー間で再感染を繰り返すピンポン感染を防ぐため、症状や感染の有無に関わらず同時に治療をおこなうことを考えてもいいかもしれません。

膣分泌液検査の場合

女性用の検査になります。
検査結果が出るまでは、男性と同様に2〜7日程度、費用は9,000円です。

女性は腟分泌液を綿棒で拭い採取するだけなので、痛みや不快感を感じることが少ないです。

即日検査の場合

基本的に即日検査はありませんが、症状がある場合に膣分泌液を採取して、顕微鏡で「トリコモナス原虫」そのものを確認して診断するという方法もあります。

しかし、顕微鏡で確認できないからと言ってトリコモナス症ではないという診断にはならないのが現状です。

トリコモナス症は、日本では有名ですが実際の感染者数は少ない傾向にあります。

検査前確率が低い段階に感度が低い顕微鏡での検査を即日検査として使用し、顕微鏡下でトリコモナス原虫を検出できないため検査陰性とし感染していないと考えるのは実態に沿った適切な方法とは言えません。

そのため、当院では即日検査でのトリコモナス症の感染の有無を判定することは推奨しておりません。

2:治療

治療は主に抗菌薬の内服になります。女性は膣錠でも治療できますが、治療効果と治療の手間を考えると膣錠より内服が推奨されます。費用は男女ともに16,000円です。

前述の通り女性の場合は、膣への錠剤の投与という方法もありますが、女性でも尿道炎の症状が見られ、尿道への感染も考えられるため、様々な部位への効果を期待して治療効果が高くより良い選択であると考えられています。

治療薬による治療は90%程度の効果がありますが、パートナーに感染している可能性も高く、何度も再感染を繰り返さないためにも、同時治療が重要です。

トリコモナス症の治療の終わりは?

治療が終了してから、医療機関にて再検査をおこない、トリコモナス症の治癒を確認します。女性は月経血の中でトリコモナスが増殖する傾向があり、念のため治療後1度目の生理が終わってから治癒の確認をした方が良いと考えられています。

抗菌薬の内服による治療は約90%の効果があり、非常によく効きますが、100%ではないので治療後も注意が必要になります。

トリコモナス症によくあるQ&A

トリコモナスは認知度が高いですが、当院でもあまり質問されることはありません。
クラミジアや淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマと症状が似ていること、他の性病と重複感染することもあるので注意が必要です。

トリコモナスと似ている性病には何があるのか?

クラミジアや淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマと症状が似ており、これらの性病と重複してトリコモナスが検出されることが多いです。

トリコモナスは男性も感染するのか?

男性と女性ともに感染し、感染源にもなります。症状は主に尿道炎の症状でクラミジア淋病マイコプラズマ・ウレアプラズマと似ていることが多いです。

トリコモナスはすぐに検査できるのか?

感染の機会から24時間以上前後で検出が可能と考えられます。検査結果は精密検査で数日かかります。
※感染の恐れがある場合、お早めの受診を推奨します。

トリコモナスの治療はすぐできるか?

検査でトリコモナスが検出された場合、すぐに治療可能で適切な治療を実施すると治癒率も高くなります。

トリコモナスは再発するのか?

治癒していれば再発することはありません。再発したと思った場合、基本的には再感染となりパートナーからのピンポン感染などを疑います。

トリコモナス症は自然治癒するのか?

リコモナス症に感染した場合、治療を受けずに自然治癒することはありません。

もし感染した場合は、医療機関を受診し、抗菌薬による治療を受けなければ「トリコモナス原虫」を死滅させることができず、治癒しないので注意が必要です。

女性は感染したまま放置すると、卵管炎や骨盤内にも炎症が生じる可能性があります。症状が卵管まで進むと、不妊症や早産、流産のリスクが高まると考えられます。

男性が感染したまま放置してしまうと、トリコモナス原虫が前立腺や精のうに寄生していることが多く、前立腺炎や精巣上体炎を引き起こすリスクがあります。

トリコモナス症は自然治癒しないため、放置したままにすると様々な症状を引き起こす可能性があるので、速やかに医療機関を受診して適切な検査・治療を受けましょう。

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パートナーがトリコモナス症の場合も受診した方がいい?

トリコモナス症は、感染しても症状を感じない人が多く、パートナーにも感染している可能性があります。感染者が治療をおこない一度治癒したとしても、パートナーが検査を受けずに感染していた場合、お互いで再感染を繰り返すリスクがあります。

特に男性は女性と比べて症状を感じにくいため、パートナーの女性が感染した場合は無症状でも検査を受けましょう。パートナーとの間で再感染を繰り返さないためにも、パートナーは無症状でも同時期・同期間で検査を受け、もし感染していた場合は治療を遅らせないことが重要です。

なぜ、パートナーと同時に性病の検査・治療が重要なのか?

トリコモナス症の予防方法は?

コンドームを正しく着用することで感染のリスクを抑えることができます。しかし、これらでリスクを抑えることはできますが、検査・治療をきちんと医療機関で行うことが最も重要です。。

性行為やそれに準ずる行為以外でも感染するため、日頃から注意が必要になります。タオル等でも感染する可能性があると考えられ、私生活でも不衛生にならないよう気をつけましょう。

まとめ

今回は「トリコモナス」について解説しました。
明らかな症状がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。

  • 男女ともに無症状が多いため検査による早期発見、治療が重要
  • 感染が判定された場合はパートナーも一緒に検査・治療を行う
  • 性行為以外でも感染するため清潔にすることで感染リスクを抑える
  • 感染を放置するとピンポン感染や不妊症のリスクがあるため注意が必要

もし、今回紹介した具体的な症状に当てはまる、もしかしたらトリコモナスに感染しているかもしれないと少しでも感じた方は、当クリニックでも検査・治療を受けることができますので、お気軽にご相談ください。

ノワール大宮
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ノワール大宮クリニック 院長:成田学史

執筆者:成田 学史
ノワール大宮クリニック院長(医師)
2014年(平成26年)北海道大学医学部医学科卒業
日本性感染症学会 会員
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