

更新日:2024年10月21日
目次
☑ 即日診断・即日治療(治療のみも可)
☑ 結果のネット照会
☑ プライベート個室診療
クラミジア感染症はクラミジア(クラミジア・トラコマチス)の感染によるもので、日本国内で最も報告数の多い性感染症(以下、「性病」という)性病です。
性器だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)による咽頭へのクラミジア感染、肛門性交(アナルセックス)による肛門へのクラミジア感染もあり得ます。
クラミジアは淋菌感染症(以下「淋病」という)と同様に20代の年齢層に最も多くなっています。クラミジアの報告数は淋病と異なり、女性の数が男性の数より多くなっています。
クラミジアという言葉は、多くの方に認知されていますが、クラミジアにも感染する部位によって細かく種類が分けられています。
名前 | 症状 | 検査 |
クラミジア性尿道炎 | 尿道から分泌物、排尿痛 | 尿 |
クラミジア性精巣上体炎 | 睾丸上に軽度の腫れ、発熱 | 尿 |
クラミジア性子宮頸管炎 | おりものの増加、下腹部痛、排尿痛 | 膣ぬぐい液 |
咽頭クラミジア | 咽頭の痛み・腫れ・咳・発熱 | 咽頭ぬぐい液 |
肛門クラミジア | 肛門痛、血便 | 肛門ぬぐい液 |
クラミジア性結膜炎 | 充血、瞼の腫れ、めやにの増加 | 目の抗原 |
出典元:国立感染症研究所※数値を当院でグラフにしたため、無断転載禁止
出典元:国立感染症研究所※数値を当院でグラフにしたため、無断転載禁止
出典元:国立感染症研究所※数値を当院でグラフにしたため、無断転載禁止
クラミジアにおける感染経路は、下記のような場合が考えられます。
キスやお風呂(温泉)、プールで感染する可能性は低いと考えられます。
クラミジアの症状は男性において淋病と比較して症状が軽く、女性も症状に自覚がない方が半数以上います。
クラミジアは感染しても自覚症状に乏しく、身に覚えがなく心当たりもないことから、診断や治療に至らないことが多いです。
症状を自覚しない人も多く、男性よりも女性の方が感染の報告者数が多いですが、女性の方が男性より検査を受ける機会が多いことが考えられ、無症状や無自覚の感染者も多い可能性を示しています。
また、何年も放置することで男女ともに不妊症のリスクもあり、特に女性は早産や子宮外妊娠のリスクも上がると考えられています。
無自覚、無症状のうちにパートナーや出生児へ感染させることもあるので、感染に気づかなかったと後悔しないためにも、自覚症状の有無に関わらず心配な場合や心当たりがある場合は検査を受けることを推奨しています。
性病の発症で浮気を疑われた…心当たりのない性病への感染について
性器のクラミジアの場合、男性の症状は主に尿道炎で、女性の症状は主に子宮頸管炎となります。
男女ともに自覚症状に乏しい傾向がある性病ですが、男性は女性と比較して症状が軽度であることが多いです。
基本的には、症状を自覚しないことや無症状が多いです。
その中でも、尿道炎による排尿痛の症状が多く見られ、尿道から漿液性(サラサラ)から粘液性(ネバネバ)の分泌物が少量から中等量出現し、排尿痛は軽い場合が多いです。
他にも、軽い尿道の痒みや不快感もありますが、症状を自覚しない場合が多いです。
尿道を外に向かって圧迫することで、分泌物を確認できることがあります。
頻尿、残尿感、排尿後の痛みや不快感などの症状から、膀胱炎や前立腺炎が疑われ、その原因がクラミジアである場合もあります。
性的活動期の男性に膀胱炎は少ないとされており、クラミジアは自然治癒しないため、膀胱炎や前立腺炎のような症状がある場合は注意が必要です。
男性におけるクラミジアの潜伏期間は、感染機会から1〜4週間で発症する人が多いとされています。
クラミジアは、淋病による尿道炎と比較して、潜伏期間が長く、発症は緩やかで、症状も軽度の場合が多くなるため、半数以上が感染していても気づかないことが多いです。
クラミジアが原因となり精巣上体炎になる可能性もあり、淋病による精巣上体炎と比較して、腫れは軽度で発熱があっても軽いことが多いです。
しかし、精巣上体炎は男性における不妊症の原因にもなりますので、注意が必要です。
男性と同様に女性の多くが症状を自覚しないとされ、医療機関にて検査を行うことでクラミジアを発見することが重要になります。
また、症状を自覚してもトイレが近い、残尿感、排尿後の痛みや不快感などの膀胱炎のような症状を繰り返すことで性病ではなく膀胱炎だと勘違いされることがあります。
クラミジアが原因の場合は自然治癒しないため、膀胱炎のような症状を繰り返す場合は注意が必要です。
女性におけるクラミジアの潜伏期間は、男性と同様に感染機会から1〜4週間で発症する人が多いとされています。
クラミジアは発症が緩やかで症状が軽度であることから感染が判明していない保菌者も多いと考えられ、実際の感染者数は報告数より多いと考えられています。
また、症状を自覚しないまま、他者への感染源になっていることも考えられます。
子宮頸管炎の症状として、帯下の増量や不正出血や下腹部痛、性交痛などが生じます。
症状が軽いもしくは自覚しない人が多い中で、強い下腹部痛を感じる人もいます。
また、治療せずに放置しておくと後遺症として不妊症や子宮外妊娠の可能性があり、分娩時の胎児への感染の可能性もあります。
クラミジアは淋病やマイコプラズマ・ウレアプラズマと重複して感染するケースもあります。淋病が発症しているとき、男性で約15〜25%、女性では約35〜50%はクラミジアに重複して感染しているという報告もあります。
また、マイコプラズマ・ウレアプラズマとクラミジアは症状が似ており、同時に感染していることも珍しくありません。
しかし、男女ともにクラミジアが有名なため、クラミジアが優先されて淋病やマイコプラズマ・ウレアプラズマが重複して感染していてもそれらの検査が行われずに見逃される可能性が高いです。
咽頭や直腸(肛門)におけるクラミジアの感染は、症状から性病を疑われにくいことや自覚症状に乏しいことから放置されていることが多いです。
感染への可能性に心当たりがある場合は、性器だけでなく咽頭や直腸の検査も同時に実施することが重要です。
感染している相手の粘膜に触れることで感染し、咽頭クラミジアといわれています。
自覚症状に乏しく、症状を自覚することはないことが多いです。
【主な症状】
咽頭へ感染したまま放置しておくと、以下のような可能性があります。
感染した分泌物が肛門に触れることで感染し、肛門クラミジアといわれています。
自覚症状に乏しく、症状を自覚することはないことが多いです。
【主な症状】
肛門(直腸)へ感染したまま放置しておくと、以下のような可能性があります。
感染した精液や体液が付いた手などで目に触れることで感染し、クラミジア性結膜炎といわれています。
日本を含めた先進国では目(結膜)の感染はほとんど見られません。
また、1ヶ月ほど点眼薬を使っても治らない結膜炎はクラミジアが原因であることを疑います。
【主な症状】
目(結膜)へ感染したまま放置しておくと、以下のような可能性があります。
クラミジアは感染しても、きちんと治療を行えば治癒するため再発することはありません。
再度、性病に感染した場合は未治癒であったか、別経路で同じ菌に感染した再感染を疑い増す。
そのため、治療によって治癒しても再感染するリスクはあるので、予防していくことが重要です。
予防するには、主に下記の2つに注意が必要です。
コンドームを着用すること、不特定多数の人との性行為やそれに準ずる行為を控えることでリスクを抑えることができます。
しかし、これらでリスクを抑えることはできますが、検査・治療をきちんと医療機関で行うことが最も重要です。
また、パートナーの感染が判明した場合は、一緒に検査を受けることを推奨します。
治療したとしても、パートナーが感染していれば再び感染してしまうため、同時に治療を行うことが重要です。
今回は「クラミジア感染症」について解説しました。
もし、性病へ感染する可能性のある行為に心当たりがあるかもしれないと、少しでも感じた方は、当クリニックでも検査を受けることができますので、お気軽にご相談ください。