【クラミジア感染症】国内で最も報告数の多い性病の症状と検査法・治療法

こんな症状ならクラミジア感染症かも?

男性のクラミジアの症状

・排尿時の軽い痛み、違和感、かゆみ
・尿道から少量のサラサラした分泌物が出る
・無症状、症状を自覚しない場合も

女性のクラミジアの症状

・不正出血、下腹部痛、かゆみ
・性交時の痛み
・オリモノの臭いが変わる、量が増える
・無症状、症状を自覚しない場合がほとんど

クラミジアかも?と思ったら

クラミジアの詳しい説明


クラミジア感染症とは?

クラミジア感染症はクラミジア(クラミジア・トラコマチス)の感染によるもので、日本国内で最も報告数の多い性感染症(以下「性病」という)です。

性器だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)による咽頭へのクラミジア感染、肛門性交(アナルセックス)による肛門へのクラミジア感染もあり得ます。

年間の報告者数は約25,000人

10年ほど前までは増加していましたが、その後減少傾向に転じ、ここ5年ほどは1年間の報告数が25,000人前後の横ばいで推移しております。

そのため、今後再度報告数が増加しないか注目されているのがクラミジアです。

報告者の中でも20代の感染者が最も多い

クラミジア感染症(以下「クラミジア」という)は淋菌感染症(以下「淋病」という)と同様に20代の年齢層に最も多くなっています。クラミジアの報告数は淋病と異なり、女性の数が男性の数より多数となっています。

主な感染経路は性行為

クラミジアにおける感染経路は、性行為、それに準ずる行為となります。主な感染部位は性器、咽頭、肛門となります。

また、日本では非常に少ないとされていますが、目(結膜)への感染もあり感染部位はさまざまです。

こちらの記事では、主に性器のクラミジアについて記述していきます。

クラミジアは症状が軽く発見に注意が必要

クラミジアの症状は男性において淋病と比較して症状が軽く、女性も症状に自覚がない方が半数以上います。
出産児への感染注意
妊婦検診においても、正常妊婦の3〜5%にクラミジア保有者がみられていることから、自覚症状のないクラミジアの感染者は多いと推測されます。

身に覚えがなく心当たりもない

クラミジアは感染しても自覚症状に乏しく、診断や治療に至らないことが多いです。無自覚、無症状のうちにパートナーや出生児へ感染させることもあるので、注意が必要な性病です。

何年も放置することで不妊症のリスクも

さらに、クラミジアに感染して症状が出ないまま進行することで、男性も女性も不妊症となる可能性があり、女性においては早産や子宮外妊娠のリスクも上がると考えられております。

気づかなかったと後悔しない早期検査

将来の不妊症や早産や子宮外妊娠のリスクを避けるためにも、自覚症状の有無にかかわらず心配な場合や心当たりがある場合はクラミジアの検査を受けましょう。

検査の結果、クラミジアが検出されたら症状が出る前に治療をおこなっていくことが重要となります。

すぐに受けるべき検査がわかる性病ごとの潜伏期間について詳しくはこちら

クラミジアの症状

性器のクラミジアの場合、男性の症状は主に尿道炎で、女性の症状は主に子宮頚管炎となります。男女ともに自覚症状に乏しい傾向がある性病ですが、男性は淋病と比較して症状が軽度であることが多いです。

そして、前述の淋病の罹患者は20~30%にクラミジアの重複感染が認められるため、同時の検査が重要になります。

男性のクラミジアの症状

男性におけるクラミジアの潜伏期間

男性のクラミジアによる尿道炎ですが、感染後1〜4週間で発症する方が多いとされています。しかし、半数以上が症状を自覚されないとされ、感染時期がよくわからない場合も多いのが現状です。

尿道炎による排尿痛の症状が多く見られる

その症状は、尿道から漿液性(サラサラ)から粘液性(ネバネバ)の分泌物が少量から中等量出現し、排尿痛は軽い場合が多いです。

クラミジアの他の症状として、軽い尿道の痒みや不快感もありますが、症状がほとんどない場合もあります。尿道を外に向かって圧迫することで、分泌物を確認できることもあります。
 
排尿で痛みを伴う原因には性病が大きく関係していることも⁉
 

前立腺炎や膀胱炎のような症状が出ることも

トイレが近い、残尿感、排尿後の痛みや不快感などの症状で膀胱炎や前立腺炎が疑われる際の原因がクラミジアであることもあります。性的活動期の男性に膀胱炎は少ないとされており、自然治癒はしないため、膀胱炎や前立腺炎のような症状がある場合は注意が必要です。

無症状、自覚症状に乏しいため感染に気づかない

そして、淋病による尿道炎と比較して、潜伏期間が長く、発症は比較的緩やかで、症状も軽度の場合が多くなるため、感染していても気づかない場合が多くなります。

また、クラミジアによる精巣上体炎もありますが、こちらも淋病による精巣上体炎と比較して、腫れは軽度で発熱の程度も軽いことが多いです。

精巣上体炎は男性不妊症の原因にもなります。

女性のクラミジアの症状

女性におけるクラミジアの潜伏期間

女性のクラミジアによる子宮頸管炎ですが、男性と同様に感染後1〜4週間で発症するとされています。

子宮頸管炎の症状として、帯下の増量や、不正出血、下腹部痛、性交痛等が現われます。また、強い自覚症状として、強い下腹部痛が症状として表れることもあります。

無症状、自覚症状に乏しい時点で発見することが重要

しかし、女性では半数以上が、クラミジアによる自覚症状が出ないとも言われています。そのため、診断には検査を積極的に行うことによって、無症状、自覚症状に乏しい時点でクラミジアを発見することが重要になります。

膀胱炎と勘違いすることも

トイレが近い、残尿感、排尿後の痛みや不快感などの膀胱炎のような症状を繰り返す原因がクラミジアであることもあります。自然治癒はしないため、膀胱炎を繰り返す場合は注意が必要です。

膀胱炎のような症状が続いてる…放置するのは危険!

腹痛などの強い症状が出る場合も

子宮・卵管を経て、上部へ感染が広がることにより、骨盤内へも炎症の症状が波及することもあります。

その場合、強い下腹部痛や、上腹部までの激痛が出現することがあります。

女性・妊婦の感染時リスク

クラミジアにより、妊婦においては早産の原因にもなります。また、卵管炎により、子宮外妊娠や不妊症の原因となることもあります。

加えて、胎児が産道を通る際に感染する可能性があり、新生児の結膜炎や肺炎の原因にもなります。

放置しておくと胎児への感染のリスクも

クラミジアは発症が緩徐で、症状が軽度であることから、実際の感染者数は報告数より多いと考えられます。また、自覚がないまま他者への感染源になっていることも考えられます。

特に女性において、治療せずに放置しておくと後遺症として不妊症や子宮外妊娠の可能性があり、また分娩時の胎児への感染の可能性があります。

咽頭や直腸のクラミジアの症状

咽頭や直腸におけるクラミジアの感染は、症状が自覚されないことが多く、これらの部位も感染源となります。そのため、心当たりがある場合は性器だけでなく咽頭や直腸の検査も同時に実施することが重要です。

  • ・咽頭:のどの痛み、発熱
  • ・直腸:肛門の痛み、肛門からの排膿

咽頭や直腸のクラミジアは淋病や後述のマイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症(以下、「マイコプラズマ・ウレアプラズマ」という)と症状が似ており、性器への感染と同様に他者への感染源となります。ほとんど症状がないこともあり、気づかないまま感染している人も多いと考えらます。

クラミジアの早期検査と適切な治療

予防法の啓発、無症状であっても感染を疑う場合はクラミジアの検査を受ける、適切な治療の実施が重要になります。

また、後述のマイコプラズマ・ウレアプラズマの重複感染も近年注目されており、同時の検査を推奨しております。

尿検査とスワブ

検査方法・診断と治療方法

男女ともに淋病など別の疾患との合併が考えられるので、同時の検査を推奨しております。

男性の検査方法と診断

男性の検査法としては、検体として尿を用いて、核酸増幅法(以下「PCR法」という)やイムノクロマト法による迅速診断のいずれでも診断が可能です。

女性の検査方法と診断

女性の検査法としては、男性と同様に検体として尿を用いての検査と子宮頚管からスワブ(綿棒のようなもの)で検体を採取して、PCR法やイムノクロマト法による迅速診断で検出します。

女性の場合、淋病と同様に無症状であることが多く、男性と比べて発見が遅れがちなのが現状です。

咽頭や直腸クラミジアの検査方法

咽頭や直腸へのクラミジアの感染は、うがい液やぬぐい液を用いて、PCR法やイムノクロマト法による迅速診断を実施することで検出が可能となります。

咽頭や直腸へのクラミジアは症状がほとんどないこともあり、心当たりがある場合は検査を行うことを推奨します。また、咽頭や直腸の淋病やマイコプラズマ・ウレアプラズマとの重複感染の可能性もあり、同時の検査を推奨しております。

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検査・診断後の治療の流れ

治療薬の内服終了後に1〜2週間以上経過してからクラミジアが検出されないか検査します。

淋病の治療が注射薬であることと異なり、内服薬による治療になるため、確実な服薬が行われないことによる不完全な治療もあり得ます。

また、治療効果は約90%と淋病の治療効果より低くなると考えられます。そのため、淋病のように確実な治癒が得られないこともあり、治癒しているか確認の検査を推奨しております。

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執筆者:成田 学史
ノワール大宮クリニック院長(医師)
2014年(平成26年) 北海道大学医学部医学科卒業

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