股間・デリケートゾーン(陰部)のかゆみの原因と注意点

公開日:2022年08月31日

更新日:2024年6月24日

性病知識コラム 陰部のかゆみ

かゆみの原因と注意点

股間・デリケートゾーン(陰部)のかゆみは、男女ともに多くの方が悩みを抱えています。そしてデリケートゾーンのかゆみはなかなかしつこく、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら治らないままのことも多いです。ここでは、どのようなものがデリケートゾーンのかゆみの原因となるかを解説していきます。

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股間・デリケートゾーンのかゆみの2つの原因と症状


男女とも股間・デリケートゾーンのかゆみの原因となるものは大きく分けて2つあります。

かゆみの原因

①かぶれ、アレルギー等の体質的要因による皮膚炎(湿疹)

かぶれは正式に「接触皮膚炎」と呼ばれます。
接触皮膚炎の原因は、「皮脂や汗、温熱、乾燥」などの刺激によるものです。
女性の場合は、生理中のナプキンやタンポンのヒモなどの接触や経血による蒸れなどが原因になります。
男性の場合は、衣服による蒸れや、性行為のときに使用するコンドームによるアレルギーが原因として考えられます。

②刺激等の外的要因による皮膚炎(湿疹)

こちらには、性感染症(以下「性病」という)などの感染症が原因によるものも含まれます。よく知られているものとして、「カンジダ、ヘルペス、いんきんたむし、けじらみ」といった性病が考えられます。しかし、実際には「クラミジア感染症、淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症、トリコモナス症」が原因となる場合も多くあります。

よくある症状

①かゆみの原因をカンジダ、亀頭包皮炎・ヘルペスと間違える

デリケートゾーンのかゆみがなかなか治らないという悩みは男性にも女性にも多い悩みです。そして、悩まれている方は男女で以下の症状や病気を考えられることが多いです。
男性:亀頭包皮炎を繰り返す、カンジダを繰り返す、外性器の腫れ、ヘルペスのような腫れができる
女性:カンジダを繰り返す、外性器の腫れ、ヘルペスのような腫れができる
亀頭包皮炎やカンジダ、ヘルペスのような症状がなかなか治らず頻繁に繰り返すと考えられる際は、その原因が性病である可能性を考慮する必要があります。具体的にはクラミジア感染症、淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症、トリコモナス症です。これらは基本的に自然治癒しないため、感染していた場合はデリケートゾーンのかゆみの症状を繰り返すことになります。

②股間・デリケートゾーン周辺の皮膚がぶつぶつしている時

デリケートゾーン周辺の皮膚がブツブツしている時、尖圭コンジローマかもしれないと疑う時も、その原因にクラミジア感染症、淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症、トリコモナス症が潜んでいる場合があります。皮膚のこの症状は、これらの性病が原因でデリケートゾーンの皮膚炎の結果として生じたものである可能性が高いです。

クラミジアとは
淋菌感染症(淋病)とは?
マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症とは?
トリコモナス症とは?
性器,膣カンジダ症とは?
性器ヘルペスとは?

実は多い⁉股間・デリケートゾーンのかゆみの原因は性病


上記、かゆみの原因で触れたとおり、デリケートゾーンのかゆみがある時、カンジダ、ヘルペス、いんきんたむし、けじらみなどの性病と考えられる方が多いです。

また、亀頭包皮炎やカンジダやヘルペスがなかなか治らず頻繁に繰り返すと考えられる際は特に、その原因が他の性病である可能性が高いことを考慮する必要があります。具体的にはクラミジア感染症、淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症、トリコモナス症です。これらは基本的に自然治癒しないため、感染するとデリケートゾーンのかゆみを繰り返します。

股間・デリケートゾーンのかゆみの注意点


デリケートゾーンのかゆみの原因が性病だった場合、放置すると様々な悪影響が出る可能性がございます。

下記症状がある場合は性病の可能性が高いので注意

男性➝膿が出る、陰部のにおいの変化、陰部の痛み、尿道痛、下腹部痛、睾丸痛、性交痛、恥垢がたまりやすい、性器の黒ずみ
女性➝オリモノの増量、オリモノの臭い、陰部の痛み、下腹部痛、腰痛、性交痛、生理周期の変化(生理の遅れ)、不正出血、恥垢がたまりやすい、性器の黒ずみ
 
排尿で痛みを伴う原因には性病が大きく関係していることも⁉
 

股間・デリケードゾーンのかゆみを放置するのはNG

股間・デリケートゾーンのかゆみを放置すると、性病が潜んでいて悪化や後遺症につながることがあります。
また、その原因となる性病が「クラミジア感染症、淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症、トリコモナス症」である場合は、“自然治癒しない” “かゆみの悪化” “後遺症につながる” “他者への感染リスク” など多くの悪影響につながる可能性があります。

さらに、現在の日本では事例が少ないですが、性病を持っていると出産時に子供に感染させてしまうこともあり、新生児の肺炎や新生児の結膜炎などの病気の原因になることがあります。

股間・デリケートゾーンのかゆみは、相談しにくいかと思いますが、その原因が性病の場合は気付かずに感染させてしまう可能性もあります。

なかなか治らない股間・デリケートゾーンのかゆみに注意

股間・デリケートゾーンのかゆみがなかなか治らない場合、かゆみの原因は皮膚そのものではなく他に原因があることを疑います。そして、その原因が性病であることが多いです。そのため、デリケートゾーンのかゆみやしつこい皮膚炎に性病が関係する可能性に注意する必要があります。

股間・デリケートゾーンのかゆみの発生部位について

男女ともかゆみの発生部位は股部の外性器が中心となりますが、その周囲のかゆみにも注意が必要です。以下は男女のかゆみの発生部位です。

男性の場合

  • 陰茎包皮部
  • 陰茎亀頭部
  • 尿道
  • 陰嚢
  • 鼠径部
  • 足の付け根
  • 下腹部

女性の場合

  • 大陰唇
  • 小陰唇
  • 鼠径部
  • 足の付け根
  • 下腹部

股間・デリケートゾーンがかゆい時に注意すべき他の症状


男女ともデリケートゾーンのかゆみや、外性器の違和感や痛みに気を付けましょう。以下は男女の気を付けるべき症状になります。

男性の場合

陰部が蒸れる、亀頭や包皮の腫れ(亀頭包皮炎)、デリケートゾーンの皮膚の赤み、デリケートゾーンの違和感、膿が出る、陰部のにおいの変化、陰部の痛み、尿道痛、下腹部痛、睾丸痛、デリケートゾーンの黒ずみ(色素沈着)、デリケートゾーンの皮膚のブツブツ(色素沈着、瘢痕)、性交痛、恥垢がたまりやすい

女性の場合

陰部が蒸れる、大陰唇等の外性器の腫れ、デリケートゾーンの皮膚の赤み、デリケートゾーンの違和感、オリモノの増量、陰部のにおいの変化、オリモノのにおいの変化、陰部の痛み、下腹部痛、腰痛、デリケートゾーンの黒ずみ(色素沈着)、デリケートゾーンの皮膚のブツブツ(色素沈着、瘢痕)、性交痛、生理周期の遅れ、不正出血、恥垢がたまりやすい
 
膀胱炎のような症状が続いてる…放置するのは危険!
 

最後に

デリケートゾーンのかゆみには様々な原因があります。そして亀頭包皮炎、カンジダ、外性器の腫れ、ヘルペスを繰り返す等の悩みを抱えている方も多く、その原因に性病が潜んでいることも多くあります。デリケートゾーンのかゆみを治療するためには、その原因を知ることが必要です。その原因は性病であることも多く、放置すると不妊やピンポン感染のリスクがあるため、医療機関で適切な検査・治療を受けることが重要です。

ノワール大宮
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ノワール大宮クリニック 院長:成田学史

執筆者:成田 学史
ノワール大宮クリニック院長(医師)
2014年(平成26年)北海道大学医学部医学科卒業
日本性感染症学会 会員
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