性感染症と主な症状

陰部のかゆみ

症状例

・性器の掻痒感
・性器の赤み
・性器の違和感
・性器の腫れ
・性交時の痛み
・性器が傷つきやすくなる

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・梅毒
・淋病
・一般細菌

性器周辺の痛み

症状例

・性器表面の痛み
・尿道や膀胱のあたりが痛い
・性器の腫れ
・症状が出てなかなか治らない

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・淋病

※梅毒は基本的に痛くないのが特徴です。梅毒で傷ができれば触れると痛いこともありますが、触れなければ何も感じず痛みがないもしくは弱いことが梅毒の特徴になります。痛みがある場合は他の性感染症との重複感染を疑います。
重複感染とは

おりものの異常（量・におい・色）

症状例

・おりものの量の増加
・おりものが水っぽくなる
・おりもののにおいが強くなる
・おりものの色が変化した（黄白色や黄緑色や灰色など）
・おりものに血が混ざる

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・淋病

下腹部痛・性交時痛・腰背部痛・不正出血

症状例

・下腹部の痛み
・性交時の痛み
・腰背部の痛み
・性器から血が出る
・生理の時期がずれる

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・淋病

排尿時の痛み､違和感

症状例

・排尿時の痛み
・排尿時の違和感
・頻尿になる
・残尿感がある

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・淋病

性器から膿

症状例

・尿道から白色や緑色の濁った膿が出る
・尿道から透明な膿が出る
・排尿時の痛み
・性器周囲が膿んでいる
・性器周辺がペタペタする
・下着に黄白色の付着物

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・梅毒
・淋病

性器の周辺が臭う

症状例

・性器の異臭
・性器の臭いがいつもと異なる
・性器が蒸れやすくなる

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・梅毒
・淋病

性器周辺・口の周りに水ぶくれ､ただれ

症状例

・性器にできた水ぶくれを放っておいたら潰れた。
・性器にできた水ぶくれを放置したら潰れて痛みが出た。
・気づいたら性器に水ぶくれができている。
・小さなブツブツが数個できていてヒリヒリする。
・口のまわりの水ぶくれが痛くてつらい。
・性器まただわりに違和感がある。水ぶくれができている。

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・梅毒
・淋病

性器が腫れている・できものやしこりがある

症状例

・性器の腫れ
・性器にできものやしこりができる
・性器の表面がごろごろしている
・性行為後の異変
・症状が出てなかなか治らない

考えられる性感染症

・クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器カンジダ症
・性器ヘルペス
・梅毒
・淋病

咽頭（のど）の痛みや腫れ

症状例

・咽頭が痛い
・咽頭が腫れている
・風邪のような症状が続き治らない
・性行為後に咽頭の痛みを感じる

考えられる性感染症

・咽頭クラミジア
・咽頭淋病
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器ヘルペス
・梅毒

※口腔カンジダはAIDSや免疫抑制治療で発症することはありますが、性感染症ではありません。性行為やそれに準ずる行為で感染する病気というより、免疫抑制下で発症する日和見感染症という認識が適切です。

体にぶつぶつ（発疹・皮疹）や円形のアザ

症状例

・全身に赤みがあるブツブツした発疹が出る
・皮膚に痛みがないか弱いしこりができる
・皮膚にアザのようなものが出る
・アザのようなものを押しても色が変化しない
・何日か経過しても症状が変化しないか悪化していく

考えられる性感染症

・HIV（エイズ）
・梅毒
・B型肝炎
・C型肝炎

急な発熱､熱が続く

症状例

・急な発熱があった
・性行為の後に発熱した
・熱が続いている
・薬を飲んだが熱が下がらない
・他の性病を疑う症状に発熱が伴っている

考えられる性感染症

・HIV（エイズ）
・クラミジア
・咽頭クラミジア
・トリコモナス症
・マイコプラズマ・ウレアプラズマ
・性器ヘルペス
・梅毒
・淋病
・咽頭淋病
・B型肝炎
・C型肝炎

※カンジダはAIDSや免疫抑制治療で発症して発熱を伴うことはありますが、性器や口腔のカンジダが直接発熱の原因になることは多くありません。カンジダで発熱がある際は他に発熱の原因があることも疑います。

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ノワール大宮クリニック 院長：成田学史

執筆者：成田 学史
ノワール大宮クリニック院長（医師）
2014年（平成26年）北海道大学医学部医学科卒業
日本性感染症学会　会員
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