クラミジアと淋病の違いについて症状、治療法などで比較

淋病とクラミジアは国内での感染報告数が多い性感染症(以下、「性病」という)として知られています。
どちらも感染頻度が高いため、重複して感染している可能性も高く、同時に検査を行うことで正確な感染判定ができます。

男性の場合は淋病の方が症状が出やすく、症状が強いことが多いです。
しかし、基本的にはどちらも症状が似ていることが多く、症状を自覚しないこともあります。

重複して感染した際により強い淋病の症状がクラミジアの症状を覆い隠してしまう場合もあります。自己判断はもちろん医師の診察でもどちらの性病かを見分けるのは困難です。

また、症状から膀胱炎と勘違いされやすく、検査せず放置している方も多いと考えられているので、注意が必要です。

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クラミジアと淋病の違いとは?

淋病とクラミジアでは、症状や感染経路において大きな違いはないと考えられています。
しかし、前述した通り男性の場合は淋病で症状が出やすいことが多いです。

また、下腹部の痛みや頻尿などは膀胱炎の症状と似ているため、性病ではないと勘違いされることもあります。

重複感染の場合は、淋病の方が症状が強いことが多いため、クラミジアの症状はわかりにくくなり、重複して感染していると症状からクラミジアの感染の有無を判断することは難しいです。

潜伏期間は大きく異なりますが、個人差が生じるものであり感染機会の特定も困難です。
あくまでも目安として考え、気になったときに検査することが重要です。

また、クラミジアと淋病は感染頻度の高い性病とされ、重複して感染する可能性もあるので感染機会に心当たりがあって気になる場合は、同時に検査することを推奨しています。


引用:国立感染症研究所 Chlamydia trachomatisの電子顕微鏡像、男性尿道炎患者からの尿道分泌物の塗抹標本(グラム染色)

淋病について詳しくはこちら

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男性の場合

淋病の方が症状が出やすく、症状が強いことが多いです。
そのため、重複して感染した際に淋病の症状がクラミジアの症状を覆い隠してしまう場合があります。

また、男性でも膀胱炎と勘違いされる方もいるので、症状が続いてる方は注意が必要です。

淋病 クラミジア
症状 尿道から黄緑色の膿
排尿時の痛みや違和感
尿道から透明や白色の膿
排尿時の痛みや違和感
潜伏期間 2~7日 1~5週間

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淋病とクラミジアが咽頭に感染した場合は自覚症状に乏しいことがほとんどですが、咽頭が痛くなることや稀に発熱も考えられます。

しかし、基本的にどちらも症状から感染の有無を判断するのは難しく、咽頭へ感染しているかどうかは検査してみないとわかりません。

女性の場合

女性は男性と比べて症状を自覚しないことが多く、症状を自覚してもクラミジアと淋病の症状が似ているため、症状から判断することは困難です。

また、膀胱炎に似た症状も現れることがあり、勘違いして放置されることが多いので注意が必要です。

性病と膀胱炎の関係について詳しくはこちら

淋病 クラミジア
症状 おりものに変化
(黄白色・悪臭・増加)
排尿時の痛、下腹部の痛み
おりものに変化
(黄白色・悪臭・増加)
排尿時の痛、下腹部の痛み
潜伏期間 2~7日 1~5週間


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男性と同様に、淋病とクラミジアが咽頭に感染した場合は自覚症状に乏しいことがほとんどで、咽頭が痛くなることや稀に発熱も考えられます。

女性も咽頭へ感染しているかどうかは、男性と同じく検査してみないとわかりません。

クラミジアと淋病の患者数の違いについて

平成19年から令和3年にかけてのクラミジアおよび淋病の感染者数に着目し、特に男女別の推移を国立感染症研究所の統計を基に解説しています。掲載された棒グラフは、性別による感染状況の違いを明確に示しており、男性と女性の間での感染率の変動が一目で分かります。ここで、各性病の男女の感染者の報告数に乖離があることに注目したいと思います。クラミジアにおいて、男性より女性の感染者の報告数が多いのは、男女で無症状や症状を自覚しない人が多い中で男性より女性の方が無症状でも検査を受ける機会が多いことを示しております。そして、淋病の感染者の報告数に関して男性が女性より多いのは、男性でより症状がはっきりとわかりやすく感染に気がつくからです。男女の乖離は女性では気がつかないままの感染者が多いことを示しております。さらに男女ともクラミジアも淋病も報告者数は年により大きな変動は認められません。これは性病が基本的には大きく増えも減りもせず、いつでも感染する可能性があるものであることを示しています。感染に気がつかないままのことも多いですが、感染が気になるなら検査をして、感染していても治療で治癒可能な病気であることを強調したいと思います。

出典:国立感染症研究所 ※数値を当院でグラフにしたため、無断転載禁止

クラミジアと淋病が併発する可能性とは?

淋病もしくはクラミジアの感染判定を受け、治療を行っているがなかなか治らない場合は特に注意が必要です。

淋病とクラミジアは感染頻度が高く、国内で報告が確認されている感染者数も多いため、重複して感染する可能性も高くなります。

男性の場合は淋病の方が症状を自覚しやすいため、クラミジアの症状に気が付かず重複感染を見逃してしまうことも多いです。

女性はどちらも男性に比べて症状を自覚しにくいため、症状から感染を見分けることは難しく、男女ともに同時の検査を推奨しています。

一説には淋病の感染者に30%程度クラミジアも重複して感染していると言われますが、重複して感染する正確なデータはないと考えられ、意外と同時に感染している方も多いと考えられます。また、症状が似ていることも多く、どちらの感染かわからないことも多いことからどちらも検査が重要です。

さらに淋病やクラミジアには、マイコプラズマ・ウレアプラズマトリコモナスとの重複感染もあります。

性病の重複感染は珍しくない⁉重複しやすい性病とは

また、感染の放置は後遺症の危険性も考えられますが、感染に気が付かず不特定多数に感染を広げてしまうリスクもあります。

クラミジアと淋病の感染経路・感染率の違いとは?


淋病とクラミジアどちらも性器や咽頭、肛門(直腸)、稀に目(結膜)にも感染します。

それぞれの感染経路(原因)と感染部位は以下になります。

部位 感染経路(原因) 感染部位
性器 性行為やそれに準ずる行為 尿道、子宮頸管、卵管等の粘膜
咽頭 オーラルセックス、キス 口の粘膜に感染
肛門 肛門性交(アナルセックス) 直腸や肛門部の粘膜に感染
感染した粘膜が付いた手で目を触ることで感染 結膜へ感染


咽頭クラミジアについて詳しくはこちら

また、どの感染経路でどれくらいの確率で感染するかという疑問を持っている方も多いですが、こちらに関しては答えられないのが現状です。

その理由として、性病には潜伏期間がありますが個人差があり感染機会の特定が難しいため、感染経路別の感染率について正確なデータがないということになります。
性病の潜伏期間について詳しくはこちら

淋病とクラミジアの検査方法の違いとは?



淋病とクラミジアの検査方法に検体採取法での違いはありませんが、判定にはそれぞれの細菌を標的とした検査が必要です。

また、淋病とクラミジアの症状は似ていることが多いです。
そのため、感染の有無に関して診察での判断は難しく、検査でのみ正確に判定できるので、同時に検査することを推奨しています。

検査タイプ 検査内容 検体採取方法(男性) 検体採取方法(女性) 検査結果所要時間 検査方法
ベーシック検査 性器クラミジア、性器淋病 尿 膣ぬぐい液 2~7日程度 リアルタイムPCR法
即日ベーシック検査 性器クラミジア、性器淋病 尿道ぬぐい液 膣ぬぐい液 15~30分程度 抗原抗体検査

単一検査、セット検査それぞれの費用は性器、咽頭、肛門の検査部位ごとに以下となります。
検査名 即日検査の有無 通常検査(後日結果が出るもの)の有無 通常検査費用(円) 即日検査費用(円)
淋病検査(性器、咽頭、肛門) あり あり 各7,000円 各9,000円
クラミジア検査(性器、咽頭、肛門) あり あり 各7,000円 各9,000円
ベーシック検査(性器、咽頭、肛門) なし あり 各12,000円 -
即日ベーシック検査(性器、咽頭、肛門) あり なし - 各17,000円

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また、性器に感染していた場合は咽頭への感染も疑うことが多いです。
咽頭への感染は自覚症状に乏しいため、放置している人が多いため注意が必要です。

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クラミジアと淋病の治療方法の違いとは?


淋病とクラミジアは原因となる細菌が異なるため、治療法も異なります。

治療方法も同様に、どちらも治療に抗菌薬を使用しますが、内容はまったくの別物です。

病気 治療方法 治療薬を投与する期間
淋病 抗生剤の注射(点滴) 1回~1週間程度 ※治療効果には個人差があります
クラミジア 抗生剤の内服(飲み薬) 1回~2週間程度 ※治療効果には個人差があります


淋病の治療は基本的に抗生剤の注射になります。治癒する可能性は高いですが、1回の治療で確実に治癒するかは治療してみないとわかりません。投薬から1週間以上経過してから治癒しているかの確認で再検査を推奨しています。

クラミジアの治療は基本的に抗生剤の内服になります。適切な治療を実施すると治癒する可能性は高いですが、1回の治療で確実に治癒するかは治療してみないとわかりません。また、確実な服薬が行われないことによる不完全な治療もあり得ます。そのため、治療薬の内服後に1〜3週間程度経過してからクラミジアが検出されないか検査することを推奨しています。

また、淋病とクラミジアに重複して感染していた場合は、基本的に別々の治療を行いますが、同時に治療可能です。

それぞれに適切な抗菌薬を選択することが重要です。

それぞれの費用は以下になります。治療はすぐに開始可能です。

治療名 費用
淋病治療 16,000円
クラミジア治療 14,000円

クラミジアと淋病のお悩みなら、ノワール大宮クリニックへご相談ください

当院は、性病検査・治療をはじめとするデリケートなお悩みの治療に特化した専門クリニックです。

JR大宮駅東口から徒歩4分の好立地で、どなたでも安心して通っていただけます。

また、当院では完全個室診療制を導入しており、患者様のプライバシーを守ります。
人に知られたくないご相談も、安心してお話しください。

まとめ

今回は「淋病とクラミジアの重複感染」について解説しました。

  • 症状、感染経路は似ていることが多いが男性は淋病の方が自覚しやすい
  • 症状から膀胱炎と勘違いされることも
  • 感染頻度の高い性病のため重複して感染する可能性も高い
  • 性器以外にも咽頭、肛門、目に感染することがある
  • 感染経路ごとの感染率は分からず気になったら検査を受けることが重要
  • 症治療方法が異なるため重複して感染した場合は同時に治療を行う


もし、性病へ感染する可能性のある行為に心当たりがあるかもしれないと、少しでも感じた方は、当クリニックでも検査を受けることができますので、お気軽にご相談ください

ノワール大宮
性病検査・治療のお悩みご相談ください。
埼玉県JR大宮駅東口徒歩4分、性病検査・治療、AGA(男性型脱毛症)治療・女性の薄毛治療など、デリケートなお悩みに寄り添い、解決へ導く専門医クリニックです。待合から診察までお一人様一室のプライベート個室診療を導入。患者様それぞれにあった治療を行います。
ノワール大宮クリニック 院長:成田学史

執筆者:成田 学史
ノワール大宮クリニック院長(医師)
2014年(平成26年)北海道大学医学部医学科卒業
日本性感染症学会 会員
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